ARTのリスクと副作用

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ARTにおいては、排卵誘発剤などの薬剤で副作用が出たり、処置にともなって極めてまれに合併症を起こしたりすることがあります。

  1. 薬物治療(排卵誘発剤)のリスク
    • ARTに使用される注射薬剤によって、注射をした部位に軽い打ち身のような痛みや発赤が出ることがあります。なお、アレルギー反応を起こすことはほとんどありません。
    • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発剤(卵巣を刺激し卵胞の発育を促す薬)、特にhCG(ゴナドトピン注射薬剤)を使用した時に起こりやすくなるとされています。OHSSは、ARTを受けた女性の1%未満に起こる合併症。重症化すると、脱水症状や腹水・胸水、血栓塞栓症、腎機能障害など重篤な症状をもたらすことがあります。
  2. 採卵のリスク
    一般的に採卵は、腟から超音波を挿入し、長く細い針で卵巣を穿刺(せんし)して行います。
    • 鎮静薬や局所麻酔剤を用いても、軽い不快感や疼痛をともなうことがあります。
    • 卵巣からの出血は少量ですが、ごくまれに輸血を必要とするような出血が起こる場合があります。また卵巣に近い膀胱や腸、血管が傷ついた場合には、外科的処置が必要になることもあります。
    • 経腟超音波下での採卵により、まれに感染を起こす可能性があります。感染は重症化する場合もありますので、早期の対応が必要になります。
  3. 胚移植のリスク
    胚移植によって、卵管や子宮、子宮頸管に軽い炎症を起こす場合があります。
  4. 妊娠でのリスク
    • ARTによって妊娠したことで、児の障害が増加するようなことはありません。
    • 流産率は約20%と、同年齢層の女性が自然妊娠した場合の流産率と変わりません。ただし、女性の加齢とともに流産率は上昇します。
    • 子宮外妊娠のリスクは、自然妊娠の場合が約1%であるのに対して、ARTの場合は約5%に増加します。2個以上の胚を移植した場合、子宮内外同時妊娠が起こり得る可能性はありますが、極めてまれです。
    • ARTによる妊娠には、多胎妊娠のリスクがあります。複数胚の移植では二卵性双胎、胚盤胞移植では一卵性双胎のリスクが上昇します。多胎妊娠によって、早産、母体出血、妊娠高血圧症候群、帝王切開、妊娠糖尿病の危険性が増加します。
  5. 治療にともなう
    ARTでは、過度の心理的ストレスを受ける可能性があります。
    ストレスを和らげるため、患者様ご自身としても、ARTに関する知識を深め正しく理解することで不安を軽減したり、十分な休息や適度な運動、バランスのよい食事で体調を整えたり、好きなことに取り組みストレスを発散するようにしてください。
    また、家族、とくにパートナーの協力や支えが重要なことはいうまでもありませんが、心理の専門家によるサポートが必要な場合もあります。

診療スケジュール
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完全予約制・初診は平日のみ

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