胚移植法の種類について
- 分割期胚移植……採卵日(受精)より2日後または3日後の分割期胚を1~2個胚移植する方法です。
- 二段階胚移植(分割期と胚盤胞)……採卵日(受精)より2日後に、分割期胚を移植することで子宮内の着床環境を整え、着床しやすい状態になったところで5日後の胚盤胞を移植する方法です。
- SEET法……胚移植に先んじて患者様の胚を培養していた培養液のみを移植することで子宮内の着床環境を整え、着床しやすい状態になったところで、改めて後日に胚盤胞を1個移植する方法です。
- 胚盤胞移植……採卵日(受精)より5日後に、胚盤胞を原則1個移植する方法です。
当クリニックでは、新鮮胚移植、凍結融解胚移植ともに、患者様のご希望と胚の状態を考慮しながら、胚移植の方法を決定しております。
胚移植の様子
当クリニックの胚移植の特徴
- 患者様に適した胚移植カテーテルの選択
胚移植は、子宮の入り口である外子宮口から、細い管(カテーテル)を使用して子宮の奥に胚を注入する施術です。当クリニックでは、常に複数種類の胚移植用カテーテルを準備しています。患者様の子宮の状態や形状に合わせて使用するカテーテルを選択し、胚が着床しやすい場所へ確実に移植しています。見えづらい場合もありますが、胚移植時に受精卵が培養液とともに子宮の中に入ると、超音波のモニター上で白く光って見えます。 - 全例にAHA(アハ/assisted hatching/透明帯孵化補助)を実施
胚は、透明帯と呼ばれる殻に包まれています。透明帯には胚を保護するための様々な役割がありますが、受精卵が胚盤胞まで発育し子宮へ着床するためには、この透明帯を破って外に飛び出す(孵化)必要があります。しかし、何らかの原因で透明帯が硬くなり、その孵化がうまくできず、妊娠に至らない場合があります。そのような事態を避けるために、当クリニックでは移植前の胚にAHAを行っています。
AHAを施行した場合としていない場合で妊娠率は変わらないというデータも報告されていますが、当クリニックでの研究の結果ではAHAを施行したほうが、孵化できる胚の割合が有意に高くなるという結果が得られました(日本受精着床学会誌2013)。少しでも妊娠率を上げるため、当クリニックでは、すべての移植胚にAHAを行うことにしています。
AHAは、最新のレーザーシステムを導入し実施しています。
AHA実施の有無による胚の孵化率
- 無処理:AHAの施行なし、PDZ法:小さな針を用いて透明帯にスリットを入れる方法
- 開口法:レーザーシステムを用いて透明帯を開口する方法(当クリニックで実施している方法)
- 菲薄法:レーザーシステムを用いて透明帯を薄くする方法
最新のレーザーシステムを用いたAHA