体外受精(IVF)

精子調整では、受精率を引き上げる培養液、
細菌除去能の高い遠心デバイスを厳選

体外受精とは?

体外受精(IVF)とは、ある一定数の精子を卵子にふりかけ、培養皿内で精子が自ら卵子に侵入し受精させる方法です。

精子調整を行うことの必要性

体外受精を行う前に、前処理として、精子調整を行う必要があります。
理由としては、精液には、細胞成分や液体成分、細菌等の体外培養に悪影響を及ぼす成分が含まれているため、それらを取り除くことが必要だからです。また、精子調整を行うことで、運動能の高い成熟したより良い精子を集めることができ、良好な運動精子を回収し体外受精に供することで、その受精率を高めます。

当院の精子調整の特徴

1. 精子調整用培養液の選定

精子調整方法は、いくつかの手法がありますが、当院では質の高い運動精子の回収が多く報告されている精子の細胞密度の違いを利用した密度勾配遠心法に精子自身の運動能により良好運動精子を回収することのできるSwim up(スイムアップ)法を組み合わせた方法を採用しています。
当クリニックでの研究の結果、一般的に用いられている精子調整培養液よりも体内の生理的環境を模した培養液の方が受精直前の精子の機能変化である超活性化を誘起した精子が多く存在し、体外受精後の受精率が高くなることがわかりました(アメリカ生殖医学会2019)。

フラクタル解析を用いた精子機能評価と体外受精後の正常受精率

精子の超活性化指数

成熟卵あたりの正常受精率

2. 精子調整用遠心デバイスの選定

一般的に、密度勾配遠心法には、血球分離に使用する遠沈管が用いられています。そのため、良好精子は遠沈管の管底に集積されますので、管底の精子ペレット以外の上清(うわずみ)は、すべて除去する必要があります。この上清が綺麗に除去されなければ、上清中の未成熟・死滅精子および不純物も回収してしまうことになり、さらに、綺麗に上清が除去できたとしても精子ペレットの回収に時間を要してしまうと管壁に残存している未成熟・死滅精子および不純物が管壁を通って管底に降下し、精子ペレットに混入してしまいます。

当クリニックでは、これらの技術的問題点を緩和し安定して良好精子を回収するため、二重筒式遠沈管に着目し研究しました。研究の結果、二重筒式遠沈管を用いて精子調整を行うことで、より簡便に良好精子を回収することができ、さらに、細菌除去能も高いことが分かりました(日本受精着床学会誌2017)。

精子調整後の精子運動率と細菌除去能

精子調整後の精子運動率

遠沈後の細菌コロニー数

診療スケジュール
Schedule

完全予約制・初診は平日のみ

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